4.既存不適格マンションへの対応 |
- 一定以上の増築や主要構造部の大幅な改築には確認申請が必要で、建築基準法、消防法等、各種法規をクリアする必要がある。既存不適格状態がある場合、適格化するための対応が原則必要で、この負担が障害となって合意形成できず改修が進まない。安全性や機能性が担保できることを条件として、柔軟な対応を検討する必要がある。
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5.合意形成促進策の充実化(特に検討初動期の専門家協力を適切に得るか) |
- マンション建替え事業経験者の指摘にもあるように、検討初動期にコンサルタント等の専門家の協力を得られる環境をいかに整えるか、法整備以前からの課題である。
- アドバイザー派遣制度や助成制度の整備、あるいは修繕積立金を「再生」検討に簡易かつ柔軟に使えるよう区分所有法整備を行うことも考えられる。
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6.事業協力者の協力を得られにくいマンションへの対応 |
- 建替え事例の大多数は事業協力者の協力を得ており、果たす役割の大きさが改めて確認できた。法整備によりディベロッパーが参画しやすい環境が整いつつあると考えられ、一定の事業性の見込めるマンションにおいては、徐々に建替えは進んでいくものと予想される。
- しかしながら、事業協力者の協力を得られにくいマンション、例えば郊外立地の大規模団地型マンションにおいては、再生行為への合意形成が図られないことが多いと考えられる。多くは改修により延命を図る必要があるが、改修事例は限定的である。また、いつかは建替えを行う必要がある。今後、改修事業に事業協力者の参画を得られる手法や、民間活力に大きく依存しない建替え手法を検討していく必要がある。
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