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水槽など設備機器類の地震対策は、どのようなものがありますか?
   

設備機器の耐震設計法

「建築設備耐震設計・施工指針」では、重量1kN(≒100sf)を超える機器の設置方法について指針を定めております。マンションにある主なものとしては、水槽・ポンプ・受変電設備・貯湯式給湯器(電気温水器)などがあげられます。

設備機器に作用する地震力の計算は一般的に局部震度法により行われ、設備機器には設計用水平震度(KH)に機器の重量(W)を掛けあわせた「設計用水平地震力(FH=KH・W)」が機器の重心に作用するものとして考え、要求する耐震クラスや地域などを考慮し求められます。

具体的には、下表のような設計用標準震度(KS)から要求する耐震クラスにより数値を選定します。よく、水槽などで1.0G仕様、1.5G仕様などと呼ばれる数値はこの表のことです。


表−局部震度法による建築設備機器の設計用標準震度


出典)建築設備耐震設計・施工指針((財)日本建築センター)

水槽や受変電機器の耐震方法

水槽や受変電機器類は地階・1階・屋上・塔屋屋上などに設置され、マンションに設置される設備機器の中では最も重量があり、また生活に必要な水源・電源となる重要な設備です。耐震上のチェックポイントは、以下の通りです。

(1) 機器の下にあるコンクリート基礎は、構造躯体(床スラブ、梁、柱など)と一体化して緊結されていること 
(2) コンクリート基礎と機器の真下にあるベース架台(鋼材)は、アンカーボルトにて緊結されていること 
(3) ベース架台(鋼材)と機器本体は、適正なボルトにて緊結されていること 
(4) ベース架台(鋼材)やボルト類は、腐食していないこと 
(5) 機器本体にあるボルト類(パネル水槽のボルトなど)は、腐食していないこと 

要するに、機器は確実に躯体に固定することが重要ということです。当たり前のことなのですが、意外と古いマンションではできていないのが現実のようです。

  屋上にある高置水槽が、地震時に主要幹線道路へ落下し、人を怪我させたり、避難道路をふさいでしまうという状況は避けたいものです。



図中、aタイプ・bタイプは構造躯体と一体化して緊結しているとは言えない。dタイプやeタイプが良い。

耐震上問題がある水槽設置例
写真 良くない更新事例

築後25年ほどで更新された屋上高架水槽
水槽本体の耐震仕様は0.6G型であった。(1.0G以上が必要である)
写真 同左

コンクリート基礎は床に置かれているだけで、その上にウレタン防水が塗られている。
   
写真 高架水槽の設置事例
高架水槽本体とベース架台の接合金物が腐朽し消失している。
写真 同左
高架水槽本体とベース架台の接合方法に耐震強度上の問題がある。
   
写真 受水槽の設置事例
コンクリート基礎とベース架台(鋼材)が緊結されていない。アンカーボルトが1ヵ所もなく置かれているだけである。
写真 同左
コンクリート基礎と躯体(スラブ)が一体化されておらず、傾いてしまっている。

貯湯式給湯器(電気温水器など)の耐震方法
電気温水器やエコキュートなどといった貯湯式の給湯器は、重量が300〜500sもあり固定が重要な設備の一つです。 マンションの住戸内に設置されるケースもあり、床スラブ面へのアンカー固定が重要です。円筒形や角形の電気温水器は足下部分で3箇所のアンカー固定が必要です。さらに転倒防止措置として、温水器上部の固定も施せば、1.5G相当の耐震安全性を確保できます。
       

















写真 阪神淡路大震災時にマンションの共用廊下に倒れてきた貯湯式電力温水器。揺れが激しい最上階から順次転倒し、0.4トン、85度の熱湯が各階廊下に流れ出た。
   
写真 フローリングの上に置かれ電気温水器。フローリングは構造躯体ではないので設置強度が取れない。地震時に点灯する恐れがある。 写真 固定が何もされていない事例。
電気温水器の耐用年数は15年程度と言われている。リフォーム業者がボルト締めを行わないで設置してしまったらしい。
   
写真 電気温水器の耐震改修事例
フローリングを撤去し、スラブ架台へケミカルアンカーにて固定する。

写真 電気温水器の耐震改修事例
スラブへ設置した架台の上に温水器を乗せ、ボルト固定する。

 

       


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マンション再生協会