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コンクリートは古くなると、弱くなるのでしょうか?
   

鉄筋コンクリート造などの建物

コンクリートは、圧縮に耐える力は大変強い材料ですが、引張りや曲げの外力に対しては、比較的簡単にこわれ、あまり強くありません。これに対して鉄筋や鉄骨は、圧縮に弱く、引張りや曲げに対してはある程度追従し復元する粘り強さを持っています。

この2つの材料の互いの長所を生かし、短所を補うものとして考案されたのが、鉄筋コンクリート造や、鉄骨鉄筋コンクリート造です。

圧縮、曲げの両方に抵抗する為には、コンクリートと鉄筋などが確実に付着している事が条件になります。

コンクリートの中性化

出来立てのコンクリートは、高アルカリ性です。

これが、年月を経るに従い、外気や室内空気中の二酸化炭素などと反応し、表面から徐々にアルカリ性が低下してゆきます。この現象を「コンクリートの中性化」と呼んでいます。

コンクリートの中性化が原因でコンクリートの圧縮強度が低下する事はありません。

通常コンクリート中の鉄筋や鉄骨は、コンクリートのアルカリ性により保護されており、錆びません。

コンクリートの中性化が進行し、鉄筋まで中性化が到達して鉄が錆びると、コンクリートと鉄筋などの付着力が著しく低下します。

仮にコンクリート中の鉄筋などが錆びた状態で、その建物が大地震にあった場合、建物は当初期待していた構造上の耐力を発揮できません。

精密耐震診断を行う際は、コンクリートの中性化深度も調べる必要があります。

コンクリート中性化の進行を遅らせる為に、表面からアルカリ性を増す塗材を塗布含浸させたり、表面保護材を塗布したりする事が考えられます。

マンションなどでは、大規模修繕工事の外壁塗装時などに合わせて行うと良いでしょう。

コンクリート強度

コンクリートは、打設してから急激に、また一定期間を過ぎてからは徐々に強度が増える、と考えられている材料です。

建物を建てる場合、鉄筋や鉄骨とのバランスや、施工性・気候条件などを考慮に入れ、どれくらいの強度のコンクリートを使うか、という設計基準強度を決めます。

これは、コンクリートを打設してから28日経過した段階で、どれくらいの強度が出ている必要があるか、という一つの条件です。

28日以降も、理論的には徐々に強度が増えてゆくとされています。

一般的にコンクリート強度の急激な低下は、特殊な条件下で酸にさらされたり、四六時中ガスや水蒸気に曝露されていたりする場合に考えられます。

ですから、通常のマンションなどの建物では、経年によって著しくコンクリート強度が低下する事は、あまり考えられません。

コンクリートは、砂利・砂の骨材と、セメント及び水の適切な調合によって所定強度が得られますが、打設時期、施工・養生方法によって強度にばらつきが生じます。

このため、精密耐震診断を行う際には、建物のコンクリートを部分的に採取し、圧縮強度を調べて、設計基準強度に対して、どれくらいの強度が確保できているか確認する必要があります。

なお、建物のコンクリート躯体を部分的に除去したりする場合や、エアコン配管・その他の設備配管の為にスリーブ配管孔を開ける場合、その時出たコンクリートは廃棄処分せず、耐震診断時の圧縮強度調査用に取っておくと経済的です。

ひび割れ

色々な原因で、コンクリートにひび割れが入る事があります。ひび割れから雨水や二酸化炭素などがコンクリート内部に侵入すると、中性化を進行させたり、水分によって鉄筋が錆びる事があります。

ひび割れを放置すると、躯体の劣化を促進させ耐力が低下する為、エポキシ樹脂注入などによる補修が必要です。
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マンション再生協会