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地震に対しては、どのようなマンションが弱いですか?
   

(1)年代

日本の建築基準法の改正年を示します。

 (鉄骨)鉄筋コンクリート造の耐震基準は大地震が来る度に改正されてきました。1968年の十勝沖地震の建物被害を受けて1971年に柱の帯筋の間隔を100mm以下になりました。これによりかなり崩壊防止に役に立ちました。

 以後1978年宮城沖地震の建物被害を受けて1981年に建築基準法の大改正が行われました。現行の新耐震法でも安全とは言い切れませんが、1981年以前と以後でかなり耐震性に差があります。


(2)形状

1981年以前の建物のうち、建物の平面形状(真上から見たときの形)や立面形状(正面から見たときの形)が不整形の場合、建物の重心(建物の全重量が1つにまとまったとする位置)と剛心(建物が揺れまいと踏ん張る剛さの中心の位置)とがずれてしまう事が多く、大地震時のねじれ振動によって壊れる事があります。

平面形状が不整形の建物とは、下図のようなZ字型、T字型、L字型、コ字型などが挙げられます。立面形状が不整形の建物とは、道路斜線などによって上部が斜めにセットバックした建物や、ツインタワー型の建物が挙げられます。また、雁行形式(Q11参照)と呼ばれる形状の建物も、あまり地震に強くありません。

この他にも、ピロティ(Q12参照)や建物の構造が上層部と下層部で異なっている場合や、壁の上下階や平面配置のバランスが悪い建物なども、大地震時に被害を受けやすいと言われています。

不整形建物の場合、地震力が集中する部分にエキスパンション・ジョイント(*後述)を設けたり、構造部材の大きさや配置などの設計上の工夫がなされています。


出典)建築家のための耐震設計教本(日本建築家協会都市災害特別委員会編)



(3)建築場所

埋め立て地等軟弱地盤

1995年の阪神淡路大震災では、昔の河川のあとに立っている建物はそうでないところに立つ建物より被害が顕著でした。震源から岩盤や硬い地層を伝わって来た地震の波動が堅固な層の上に堆積した土層に入射すると地震波動は地表と硬い地層の間で行ったり来たりして増幅されます。

地層には特定の揺れに反応し易い、卓越周期があり、地震動が卓越周期に合うと地表が大きく揺すられることになります。また、地盤の卓越周期と同様に、建物それぞれにも固有周期があり、地表で増幅された地震動に周期が合うと共振の度合いが高まるのです。

大地震の場合には地震動のエネルギーは次々と供給されますから、共振の度合いが益々高まって建物を大きく揺らします。また、河川が上流から運んだ土砂が長期に亘って堆積し、その上に腐食植物が土化した沖積層が厚く広がる地域では、地震の際には地面が大きく揺れるので、歴史的にも大きな地震被害を被っています。

1923年関東大震災では、建物と地震震動の共振作用により山手(比較的地盤のいいところ)では、木造より剛強な(壊れるまであまり変形しない)土蔵に被害が多く、下町(軟弱地盤)では、土蔵より木造の方が被害が多かったとされます。

1964年新潟地震では地下水位が高い砂地盤の軟弱地盤で液状化により建物が倒れる事例もありました。この事例は、特殊ではありますが、建物そのものは殆ど壊れなかったのですが地中にめり込み全体が倒れました。

(4)傾斜地で盛土した場合

傾斜地で宅地造成をする場合に高い部分の土を切り取って、低い部分に埋土する場合が少なくありません。埋土部分は軟弱な地盤になりがちで埋土を擁壁で支えることになります。大地震の際に、埋土と擁壁が滑り出す場合がありますので、注意しなければなりません。
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マンション再生協会