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駐車場・駐輪場等の整備を行なうに際し、居住者の賛同を得るため、動機付けや効果を判りやすく示したいが、どのような方法をとればよいですか?
   
駐車場不足の問題点
住宅戸数と同数以上の駐車台数が確保されたマンションでは駐車場不足はあまり問題になりませんが、住戸数の70%以下しか確保されていない場合には、以下のような様々な問題が発生します。
   
(1) 敷地内の空地や通路、外周道路等への違反駐車が後を絶たない 。
(2) 火災発生時に消防車の進入が阻害され、消火活動ができない。
(3) 歩道や広場・プレイロット等の進入禁止区域への進入により子供やお年寄りへの交通事故が発生しやすい。
(4) 敷地内駐車の区分所有者と、敷地外駐車の人の間に不公平感を生み出し、全区分所有者の共有地の使い方をめぐって争いに発展する場合もある。
(5) 多数の違反駐車は、屋外環境を悪化させ、マンション全体のイメージを低下させる。
駐車場増設計画の検討事項
駐車場の増設を検討するには、駐車違反の実態、マンション近隣の民間駐車場の状況、居住者のニーズ等を調査把握した上で、増設する駐車場の規模・台数、駐車用地の確保の方法、駐車場の増設方式等を総合的に検討します。
また、敷地内の緑地やプレイロットを廃止して駐車場とせざるを得ない場合、マンション全体の居住環境はマイナスとなるため、居住環境への影響についても考慮する必要があります。
駐車場増設計画の手法
駐車場用地を確保する方法としては「外周部の未利用地等を有効利用する」「敷地内の緑地・広場などを転用する」「マンション外部に借地する」などが考えられますが、一般的には、駐車場が住戸から遠い場合は駐車違反しがちなことから、できる限り住宅に近い場所に確保することが望ましいといえます。
駐車場の増設方式には、平面式駐車場、自走式立体駐車場、機械式(多段)駐車場等があり、それぞれの特徴(メリット・デメリット)は以下のようになります。

平面式
駐車場

平面的に駐車する一般的な形式。工事費やメンテナンス費が最も安価であり、車庫入れもしやすいが、1台当りの敷地面積が大きく、土地利用が最も低利用となる。耐久性は半永久的。

自走式立体
駐車場

立体式の駐車場で自ら走路を運転して駐車する方式。工事費やメンテナンス費は機械式よりも安価、平面駐車場よりは高価となる。耐久性は躯体(RC造又は鉄骨造)に規定される。

機械式多段
駐車装置

パレットに車を載せ、動力でこれを上下左右させて立体的に駐車させる方式。工事費やメンテナンス費用が高くつき、(メンテナンス費用は1台あたり月額1万円以上になることが一般的)、機械の耐久性も20〜25年程度と短い。また、出入庫に時間が掛かりついつい違反駐車も出る、パレットの大きさや重量制限で車高の高い大型車が入らない等のデメリットもある。ただし、1台当りの敷地面積が最も少なくて済み、敷地を最大限に活用できる。

必要とする台数・規模、増設場所等を考慮して増設方式を決めます。計画の際には、住棟への排気ガス・排気音やヘッドライトの影響に注意すること、駐車場及び周辺の緑化を推進し、防犯対策を行うことなどが大切です。
敷地内駐車場の使用料は管理組合の有力な収入となり、管理費や修繕費を低減し、補填する財源となります。
機械式駐車装置は、維持管理や保守点検等に要するランニングコストがかさみ、駐車場使用料も相対的に高く設定しないと、機械の償却費が不足し、管理組合の財政を圧迫する事も考えられます。
駐車場は増やすことだけでなく、減らすことも考える必要があります。居住者の少子高齢化が進むと必要な駐車台数は減る傾向にあります。
利用が少なく空きが多くなったり、周辺駐車料金等が安い場合などは、機械式駐車場を廃止する場合もあります。敷地に余裕があり、又は、斜面などで斜路が取りやすい場合などは、機械式駐車装置を自走式駐車場に造り替えることも考えられます。
 
 

マンション再生協会