TOP > 修繕・改修のQ&A > Q20
 
建物診断を行ったが、躯体コンクリート中性化に建物箇所によりバラツキがありました。全体としてどのように考えたらよいのか?また、躯体コンクリートの中性化の抑止は、可能なのでしょうか?
   

中性化と耐用年数

コンクリートの中の鉄筋はコンクリートの高アルカリ性(竣工時のPHは約12.5)により不動態皮膜が保護され腐蝕から守られています。
しかしながら、コンクリートは経年により空気中の炭酸ガスなどと反応し、徐々にアルカリ性度が低下してゆきます。
この現象はコンクリートの中性化と呼ばれ、鉄筋までコンクリートの中性化が進行すると、不動態化の条件がくずれ、水分、酸素により鉄筋が腐蝕しやすくなります。
屋外面側では鉄筋位置に中性化領域が達した時点で腐蝕が始まり、屋内面側では中性化領域が鉄筋の被り厚さより2cm程度奥に進んだ時点で鉄筋の腐蝕が始まることが報告されています。
そして、中性化領域が鉄筋表面に到達する時点をコンクリート構造物の耐用年数とする考え方や、中性化領域が鉄筋表面に到達して鉄筋を腐食させ、コンクリートにひび割れを生じさせる時点を耐用年数とする考え方があります。従って、コンクリート構造物の耐用年数を検討する上で、コンクリートの中性化深さがどの程度進行しているかを測定する必要があるのです。
何箇所も中性化試験し、深度にバラつきがある場合、極端に進行している箇所が少なければそれを除いた平均値で判断してもいいでしょうが、深浅同程度にバラツキ、そのバラツキ巾が大きい場合はコンクリートが正常でないことがあるので、中性化だけでなく強度や密度、その他の詳細調査を行うのがよいでしょう。

中性化のバラツキと抑止方法

中性化抑止方法としては、ひび割れ部を補修し、コンクリート表面を塗装等で保護する、アルカリ付与材を塗布するなどの方法があります。
これは、12年程度の周期で行う外壁改修工事の際に躯体改修工事の一環として行うことにより、躯体を延命させることができます。
なお、コンクリート中の鉄筋を電気的に防食化する方法もありますが、それほど普及していません。今後の課題でしょう。
 
 

マンション再生協会