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改修時に共用部分のバリアフリー化を図るとすれば、住棟及び屋外施設として、どのようなものを 検討すればよいのか?
   
バリアフリー化の種類
1995年(平成7年)の「長寿社会対応住宅設計指針」(国交省)、「福祉のまちづくり条例」(各自治体)、及び、2000年(平成12年)「日本住宅性能表示基準」(品確法)などによってマンションのバリアフリーは一般化しましたが、1995年以前に建設された建物ではバリアフリーになっていないか、部分的な配慮しかされていないものが多くあります。
これらのマンションでは、建物のバリアフリー化を図る改善計画が求められます。
一般に、ファミリーマンションは30〜40才代のサラリーマン世帯をターゲットに建設されてきましたが、築後30年位経過すると居住者の殆どが、60〜70才代の高齢者になります。
集合住宅のバリアフリー化は、高齢者や障害者ができる限り障害が少なく安全に移動し、生活できるようにすることで、以下のような種類のバリアフリー化があります。
   
(1) 屋外共用施設のバリアフリー化
(2) 建物共用部のバリアフリー化
(3) 高齢者が安全で安心して住めるコミュニティーの形成
(4) 親子近接居住の推進
(5) 介護サービスへの取り組み
屋外共用施設のバリアフリー化
敷地内の道路から歩行者用通路、エントランスホールや階段室へのアプローチに、歩行や車椅子の通行の障害になる箇所をチェックし改善する必要があります。
   
(1) コミュニティー施設の高齢化対応改善。
入居時には、子供とその母親達がコミュニティー施設を多く使います。
築後20年以上経過すると子供は巣立ち、職場で多くの生活時間を過ごしてきた人たちが住宅地に帰ってきます。
集会所やプレイロット、広場などは老人の地域活動や気軽に立ち寄れる集まりの場に改善する必要があります。
(2) 成長した樹木などで夜間照明が暗くなります。屋外灯の照度向上や増設、植栽の再配置などの改善が必要です。
(3) 歩車道を分けるL字型街渠、縁石の段差解消と自動車が歩道に乗り上げないための車止め整備が必要です。
(4) 沈下や骨材の露出、陥没、樹根の成長による隆起等、歩行障害となった舗装路盤の修繕が必要となります。
(5) 降雨、降雪時に滑りやすい路面を滑りにくくし、透水性舗装にすることで水溜を解消しましょう。
建物共用部のバリアフリー化
エントランス・エレベーターホール、共用廊下や階段室、各戸の玄関ポーチなどのバリアフリー化には次のようなものがあります。
   
(1) エレベーターのない住棟にエレベーターを設け、上下バリアを解消する。
(2) アプローチ・エントランス間の段差や階段をスロープに変更し、手摺を設ける。
(3) 滑りやすく、水溜りができるホールや、階段室の床仕上材をノンスリップ材に変更する。
(4) 握力が弱くなると握りにくい共用扉の握り玉をレバーハンドルにかえ、手摺なども握りやすくする。
(5) 階段の段鼻をわかりやすくするため、他の部分と色や素材を変える。
(6) 床の照度が確保できるように照明器具を設置する。
(7) エントランスの扉の開閉を容易にするため、開き戸より引戸や自動ドアへ変更する。
(8) 一休みしたい共用部分にベンチを設ける。
高齢者が安心して住めるコミュニティーの形成
高齢者が安全で安心して生活できるコミュニティーを形成しましょう。
とかく、引きこもりがちな高齢者が積極的に参加でき、やり甲斐のあるコミュニティー活動が大切です。
管理組合や自治会、自主防災組織、植木や花の会、老人クラブや子供会、囲碁クラブなど多様なサークルが形成され、老人パワーで共用施設を良好に維持管理できるばかりでなく、住民に自治とコミュニティーの充実、高齢者の生きがいと相互扶助を増進させます。
親子近接居住の推進
世帯交代や転居、途中入居が繰返され、老若男女、多様な年齢層が混住したマンションは、コミュニティーは活性化すると共に安定します。
高齢者世帯や屋外で遊ばせたい乳幼児がいる世帯などが下層階に住替えられる様な管理と運営システムが、これからのマンションには求められるでしょう。
高齢家族とその子供の若年家族がスープが冷めない距離で住む「親子近接居住」のニーズが高まり、実態も増えています。
高齢者には安心感があり精神的な支えとなります。
これはソフト面でのバリアフリー化といえます。
老人世帯と子供世帯の親子近接居住が積極的に促進されることが望まれます。
介護サービス活動への展開
マンションコミュニティーが高齢者介護サービス活動に取組むことが望まれます。
これもソフト面でのバリアフリー化です。
   
(1) 既存マンション内の情報設備の改修。高齢者世帯へのナースコール設備の付加
(2) 管理集会施設と各住戸間のLAN形成
(3) 各住戸内の居室・便所・浴室等からの管理事務所や団地内・介護サービス事務所フロントへ直結した緊急呼び出しシステムの構築
(4) デイケアサービスや、食事サービス等の拡充にともなう、団地内集会所等の増改築
(5) 階段の昇降や、荷物運び等、シルバーケアサービスの団地内常駐
 
 

マンション再生協会